なす
2019.04.17
品種
「筑陽」(長なす)、「つばくろ」(小なす)
「PC筑陽」:単為結果性が高く、着果促進処理(ホルモン処理)の必要がない。
作型
栽培上の注意点
- なすの原産地はインドで、トマトと違って高温・多湿を好み、日本の気候によく合った野菜。
- 平均気温が15℃となり、霜の心配がなくなってから定植するが、マルチをして地温を上げ、ホットキャップをかぶせて保温するなど、初期生育を促す。
- 深根性なので、畝を高くして根張りを良くし、生育後半まで草勢を維持する。
- 連作による土壌病害(青枯病、半身萎凋病等)の発生を防ぐため、接木苗を利用する。
- 主枝と第1番花の直下から出るわき芽(第1側枝)と、さらにその直下から出るわき芽(第2側枝)が生育旺盛なので、主枝・第1側枝・第2側枝の3本仕立とする。
- 肥料と水を好む野菜で、肥切れすると着果不良や果皮の色あせを起こし、梅雨が明けて乾燥してくると、肥料が吸えず、肥料不足を起こすので、肥料切れをさせないよう、定期的に追肥と潅水をする。
- 水田転換畑では、乾燥した時は畦間にたっぷり潅水してもよい。
- 気温が低いと正常に着果・肥大しないので、7月上旬までは落果防止と肥大促進のため「トマトトーン」の50倍液を開花当日に噴霧する。
花を見て栄養診断
- なすは深根性作物なので、深層にも施肥する。
- 肥効を高めるため晴天が続く時は潅水する。水田転換畑であれば、畦間潅水も有効である。
- 第2果収穫後から追肥を開始する。
- 株の栄養診断法
-
長花柱花 雌しべが雄しべより長い花が多い。
栄養は十分→差し迫って追肥をしなくてよい -
短花柱花 雌しべが雄しべより短い花が多い。
栄養不足→肥料を多く与える。
タキイの栽培マニュアルから引用
施肥設計
- 連作したり高温期に早まきすると、土壌病害(萎黄病、軟腐病、黒腐病)の発生が多くなるので、上手な輪作体系を立てるとともに、早まきしない。
- 発芽直後に根を食害するキスジノミハムシ、葉を食害する害虫に注意し、早めに薬剤防除を行う。薬剤は、「フォース粒剤」の播種時、播き溝土壌混和が有効。
- なす
- kg/10m2
肥料名 | 基肥 | 追肥 | 備考 |
---|---|---|---|
完熟堆肥 | 30 | 追肥は10~15日ごとに施用する。 | |
苦土石灰 | 1.0~1.5 | ||
IBS1号 | 1.6 | ||
硝加燐安333 | 0.6 | ||
NK808 | 0.1~0.2 |
病害虫防除
- 土壌病害は、連作を避けるとともに排水をはかり、抵抗性台木に接木した苗を使用する。台木は「青枯病」には「台太郎」が、「半身萎凋病」には「ミート」が有効である。
- なすは害虫に弱く、「チャノコホコリダニ」(芽、葉)、「テントウムシダマシ」(葉)「スリップス類」(果実)の被害を受けやすいので早期防除に心がける。
- 草勢が弱くなると「うどんこ病」等が発生するので、草勢維持に心がける。
「PC筑陽」の栽培の要点
- 土壌病害回避と収量アップのため、接木栽培とする。台木は強勢台木が適する。
- 育苗・栽培管理は「筑陽」に準じて行うが、「筑陽」より早めの肥培管理で草勢維持に努める。