今年度産で実施される農業者戸別所得補償制度モデル事業では、食料自給率を高めるため、水田利用の効率化や休耕田等の再利用により、食用米(飯米・業務用米、米粉用)及び飼料用稲等の生産を定着化させるなど、水田農業の活性化による自給率向上に向けた取り組みが進められます。
飛騨地域では、地域の特性を活かした「コシヒカリ」「ひだほまれ」「たかやまもち」を中心とした高品質米生産が行われています。安全・安心な米づくりが、一層消費者から支持されるよう取り組むことが大切です。
4月の水田と苗の管理
1水稲育苗
田植時の稚苗の目標
草丈 13〜15p
本葉 2.2枚展開で根の伸びの良い、健全な苗
2本田管理のポイント
(1)上手な水管理のためには、畦ぬりをしっかりと行うか、またはシートの設置を完全に行います。
(2)元肥の適量・均一施用と生育に応じた施肥位置を確保します(初期生育の悪い水田は表層施肥など)。
(3)田面に凹凸のないうよう、丁寧な代かきで均平化を図ります(表面及び代かきの深さ)。水持ちの悪い水田は代かきが重要な作業となり、水持ちの安定は、生育及び除草剤効果の安定につながります。
(4)田植前処理除草剤の効果的使用
○農将軍フロアブル
代かき後、必ず水が澄んでから、田植4日前までに500ml/10a
を均一に散布します。
○サキドリEW
代かき後から田植4日前までに、500ml/10aを均一散布します。
※農薬散布時は、周辺作物や水路への飛散がないよう心がけましょう。
除草剤の処理時は、入水後しっかり止め水し、処理後7日間は、かけ流しや落水を絶対にしないようにします。また、処理後の容器は、水田内の水で洗い用水では行わないようにしましょう。
(22年営農の手引書参照)
野 菜
4月に入り、各地域の平均気温が10℃になってくると、桜(ソメイヨシノ)の開花期を迎えます。この頃から野菜類(露地栽培)の播種が、特別な場合(寒さに極端に弱い作物や品種、及び天候の低温化持続などへの急変)を除き可能となります。各地の適温が確保できるまでは、圃場の土作りなどの準備を進めます。
一方、早播き早獲りを計画する場合は、初期生育安定のため、マルチ、ベタガケ、小トンネル、ハウス利用など、保温資材利用による安定生産を実施する必要があります。また、温度的に見れば、早春時や9月以降の栽培では南面畑利用を、夏野菜類は北面の利用が効果的です。
果菜類など、苗で植付ける場合は、平均気温15℃(5月中旬頃)になってから行うと、安定した生育となるでしょう。苗が確保できたからといって適温前に植付けしても、生育が停滞するなどの障害を受けることになります。適温になるまで大きめのポットなどに仮植し、保温しながら育苗しましょう。
保温資材を利用した早植えは、資材の種類により早められますが、ハウス、小トンネル、ベタガケ、マルチの順で効果が低く、温度、換気、水分管理などが難しくなりますので、旬の野菜作りを心がけることをお勧めします。
1計画的な土作り
完熟堆肥と土壌改良剤(石灰 平均1〜1.5s/10平方メートル、燐酸 平均0.3s/10平方メートル))及び微量要素(ミネラル宝素等 1s/10平方メートル)を施し、耕土15〜20p深さに均一混合します。また、排水不良地では、圃場周囲などに排水路を設けておきましょう。
元肥は、播種又は植付けの7〜10日前に施し、混合・畦立てします。
2春植野菜
バレイショ栽培のポイント
平均気温が10℃になって、霜の心配がなくなる4〜5日前頃から植え付けが出来ます。種芋として生産されたものを使い、酸性の圃場を選びます
土壌改良として、完熟堆肥を2s、苦土重焼燐0.2s、ミネラル宝素1s各10平方メートルに施し土壌混合します。
その後、元肥に中粒固形2号(555)2sを全層混合し畦立てします。
植え付けの1〜2日前に1個(1切れ)35〜40gになるよう、芽の有無を確かめて切ります。
植付けは、畦間70p、株間30pとし、芽が出揃ったら株元へ1〜2回軽く土寄せします。また、太い芽を2〜3本に整理します。
3越冬野菜栽培のポイント
タマネギ
雪解け後から茎葉の生育が始まり、5月中旬頃から旺盛となります。
雪解け後排水対策を行い、追肥をします。1回目はNK808で0.2sを、2回目は4月中旬に同量を10平方メートルに畦全面施用します。また、5月末までの乾燥は、生育や肥大が低下するので、潅水が有効です。
エンドウ
融雪後、早や目に支柱を立て、ネットなどを張り、株の倒伏防止を図ります。追肥は茎葉が伸び始めたら開始し、4月中旬、5月中、収穫初めの3回位とし、NK808で各回0.2s/10平方メートルとします。特に開花盛りには肥効を高めるよう、追肥や潅水を行いましょう。また、初期生育が過繁茂な場合は、最初の追肥は中止しましょう。
イチゴ
融雪後、地温上昇とともに根の活動が始まり、花の充実が進みます。
イチゴは特に、多肥や乾燥を嫌うので、有機肥料を中心とする低成分肥料や、水に溶かす液肥の使用が効果的です。また、乾燥する場合は、早めの潅水が大切です。
開花が始まる前に、外葉の古葉を掻き取り株元を清潔に保ちます。
追肥は、開花期と果実肥大始と肥大中期の3回程度施しますが、500倍程度の液肥の使用が効果的です。
今年も農作業が忙しい時期となりました。
機械・農薬使用等、安全な作業管理が重要です。
心にゆとりを持って事故防止に努めましょう。
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